IP電話の選び方
うまく利用しないと、コストが減らないという事態も
IP電話の導入は、主にコスト削減を目的に行われることが多いのですが、実際に導入してみた後に振り返るとほとんど削減できていなかったというケースを伺うことが結構あります。
実はこれ、導入するIP電話の選び方を間違えていることが原因の場合が結構あります。
会社の規模や使い方に合わせて、最適なIP電話選びを
これは、一口にIP電話といっても、て無料(または定額)通話の範囲が違ったり、導入費用やランニングコストが極端に違うなど、実は様々な種類があるためです。
タイプ別のIP電話の選び方
社員数2~30人、社内通話限定ならSkype
日常でよく耳にするSkypeなどのIP電話ソフトを利用した形式。スマートフォンの普及で、身近な存在にはなってきました。
IP電話ソフト同志の場合は無料で通話することができますが、一般の電話番号にかけた場合は通話料がかかります。通話料は一般電話より安く、導入費用も掛かりませんが、一般に通話音質があまり良くないため、電話口で商談をする場合などは注意が必要です。
一般電話の代わりとして使うには不十分なので、社内での連絡だけなど、用途を限定した使い道であれば活躍できます。
社員数300人以下で、遠距離通話が多い(多拠点・遠隔地の顧客など)ならiPBXホスティング
あまり聞きなれない方式ですが、構築・設定の手間もほとんどかからず、IP電話のメリットを最大限利用できます。
商用に耐えるレベルの通話音質を確保したい場合、自前でIP電話用の電話交換機(IP-PBX)を導入する必要がありました。しかし、IP-PBXの場合は1台導入するだけでも数百万円単位の費用が必要です。
iPBXホスティングの場合、導入費用は電話機の購入費用(1台数万円)だけで済み、支店とのやり取りもIP電話経由で行えば無料で通話できるようになるため、特に社員数100人程度の規模までなら確実に費用面で有利になります。
社員数300~1000人、拠点数があまり多くないならIP-PBX
企業のIP電話導入で一番よく知られている方法ですが、現在では実は費用対効果があまり見込めないケースが多くなってきています。
拠点間の通話を無料にするには、拠点ごとに1台ずつIP-PBXを設置する必要があり、またそれの設定・メンテナンス費用が必要となるため、かなりの量の通信が必要な場合でないと、投資額を回収できないケースが多くなります。
社員数1000人以上、多拠点数ならIPセントレックスだが、注意が必要
上のIP-PBXの不便な点を解消した方式がIPセントレックスで、一台のIP-PBXで各拠点の通話を一元管理する方式です。
これならメンテナンス費用や構築費用は一か所で済み、メリットばかりのように紹介されるケースが多いですが、実は落とし穴があります。
導入時に莫大な費用(数千万円~数億円)がかかることもありますが、それ以上に一度導入してしまうとメーカーの乗り換えがしづらく、機器の追加購入などはメーカーの指示通りに行うしかなくなってしまい、結局割高となるケースがある点です。
社員数1,000人以上のような大企業でないと、IPセントレックスのメリットを活かすのは難しいといえます。